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日本の糖尿病患者さんの 最近の動向について 美唄市医師会・堀田 秀一郎 |
今回は、現在成人の一般的な病気の一つとなっている「糖尿病」について、日本における患者さんの実態や治療状況、合併症
のお話を交えながら簡単に紹介したいと思います。 糖尿病患者は、近年日本でも急増し、平成19年の実態調査報告書では実に2,210万人もいるとされており、前回(5年前)の調査 から約600万人も増加しています。成人の方で「糖尿病」と診断された患者に限ると、日本人では700万人強もおり、これは世界第7位の 多さとなっています。ちなみに、世界の糖尿病患者は現在2億8460万人いるとされ、日本を含む西太平洋地域はそのうち7,670万人 でダントツの1位です。 さて、健診でやっと見つかる成人発症糖尿病の9割以上が2型(肥満や日々の生活習慣などが要因)です。家族に糖尿病の方がいて 「自分も糖尿病では」と気付く方もいますが、自覚症状に乏しく見逃されていることも多いのです。ある調査では、一度医師に糖尿病 と診断されたにもかかわらず、3割以上の人が治療を受けていないことが分かっています。また、治療を中断した方の割合が12.7%にも 上り、実際に治療を受けているのは約半数の50.8%ほどしかいないとも言われています。そして、合併症については1割以上の人に三大 合併症(神経障害、網膜症、腎症)が認められ、残念なことにそのうち8%〜9%の人が治療を中断しており、10%以上の人は未治療のまま という状態です。 合併症の自覚症状は多岐にわたり、自分では気づきにくいことも多いので、少しでも気になったら早めに医療機関を受診し、糖尿病に関する 診察や検査を受けましょう。 (執筆者紹介/北海道中央労災病院せき損センター内科部長) ![]() |