最近の骨粗鬆症事情
美唄市医師会・三田 真俊

皆さん耳にしたことがあるかと思われるこの「骨粗鬆症」は、決して甘くみてはいけない病気です。
これは、骨の量が低下し、骨が折れやすくなる病気で、特に女性は閉経後、急激に骨の量が減ります。たばこや飲酒を多くたしなむ 方やカルシウム摂取量が足りない方、糖尿病や動脈硬化などの病気がある方も骨の量が減りやすいといわれています。
骨粗鬆症になると、尻もちなどの転倒で、特に背骨や太ももの付け根、手首の骨が折れやすくなり、転倒しなくても、くしゃみなどの ちょっとしたストレス(負荷)で骨が折れることもあります。骨粗鬆症による骨折は、寝たきりの原因の第2位(1位は脳卒中)と なっており、骨粗鬆症により背骨や太ももの付け根の骨折を起こすと死亡率も高くなるほか、寝たきり状態などになることによって 、自分だけでなく周囲への負担も大きくなります。
このようなことにならないよう、骨折の危険性を減らすことが大事になります。それにはまず、骨粗鬆症の検査を受けることです。 検査によって、現在どれだけ骨が折れる危険性があるかが分かり、その状態に応じて適切な薬を処方します。カルシウム剤やビタミン剤 などの飲み薬以外でも、最近では骨が折れる危険性が非常に高い方のために、自分で注射をする薬を処方する場合もあります。
まずは一度医師に相談し、検査を受けることをお勧めします。薬のほかにも、適度に運動して筋肉をつけること、カルシウムなどの栄養 を適度に取ることもとても重要です。
(執筆者紹介/北海道中央労災病院せき損センター整形外科副部長)