薬物乱用頭痛
美唄市医師会・輿水 修一

今回は、頭痛薬(痛み止め)の飲み過ぎで起きてくる頭痛「薬物乱用頭痛」のお話です。
この頭痛の診断の目安は、月に10日以上のペースで3か月以上にわたって頭痛薬を服用されている場合です。片頭痛や筋緊張型頭痛 の患者さんに何らかの素因があってこの頭痛が起こるといわれており、不思議なことに、関節リウマチの患者さんが痛み止めの薬を 毎日飲み続けても、この頭痛になることはないようです。

薬物乱用頭痛の特徴は、
@早朝や明け方に多い
A頭が締め付けられるような痛みや頭重感、またはズキンズキンという痛みがほぼ毎日ある
B薬がだんだん効きにくくなっている
C「頭痛が起きるのではないか」と不安になり、毎日薬を飲まずにいられないなどがあります。


診断では、頭痛の状態や薬の服用状況を詳しくお尋ねします。できればその際、最近1年分くらいのお薬手帳をご持参ください。 その後、原因となっている頭痛の治療と今服用している頭痛薬を減らしていくための治療を進めていきます。そのため患者さんには、 生活の改善や頭痛の予防薬を服用していただき、できるだけ頭痛薬を飲む回数が少なくなるようにしていきます。
このような頭痛でお悩みの場合、まずは一度ご相談ください。
(執筆者紹介/市立美唄病院神経内科医長)