元ヘビースモーカーのつぶやき
美唄市医師会・中坂 光宏

近年、公共の場での禁煙場所が増えてきており、喫煙者の方は肩身が狭く、つらい思いをされているのでは ないでしょうか。美唄市においても、本年度より市内の各施設や市役所内が禁煙となり、苦労されている方も 多いはずです。実は私自身も、5年ほど前までは1日40本、お酒の席では60本も吸う「ヘビースモーカー」 でした。あるとき、息を吸うことはできるのですが、吐くことに困難を感じるようになり、これは「COPD (慢性閉塞性肺疾患)」という、喫煙者に多い病気の始まりと自覚し、禁煙する決心をしました。
禁煙当初は熟睡もできず、両手指の何とも言えぬビリビリ感に悩むほど、ニコチン依存症からの離脱のつらさを 経験しました。
たばこには、ニコチンのほかにも発がん性物質やアンモニア、一酸化炭素など多くの有害物質が含まれており、 呼吸器疾患だけではなく、咽頭がんなど多種のがんの発生を高め、脳卒中や心臓病、骨粗しょう症の原因になり ます。「たばこの害はわかっているけどなかなかやめられない」と、ニコチンガムやニコチンパッチで禁煙に 挑戦したものの失敗された方もいると思います。
近年、ニコチン受容体をブロックする薬、簡単に言うと「たばこを吸ってもおいしく感じなくなる」新しいタイプ の飲む禁煙薬が登場しました。いろいろな条件を満たさないと処方されませんが、保険が適用されます。市内にも 禁煙治療を行っている医療機関がたくさんありますので、禁煙を考えている方は一度挑戦してみてはいかがでしょうか。
(執筆者紹介/なかさか医院院長)