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新しいアルツハイマー型 認知症治療剤のお話し 美唄市医師会・石本 隆広 |
今年3月に新しいアルツハイマー型認知症治療剤が発売になりました。 新しい薬は2種類ありますので、それぞれの特徴を簡単に説明します。 @メマリー 一般名は「メマンチン塩酸塩」です。NMDA受容体拮抗剤という新しいタイプの薬で、従来の治療剤(アリセプト)とは作用機序 が異なります。中等度〜高度アルツハイマー型認知症における認知機能障害の進行や、言語、注意、実行および視空間能力などの悪化 を抑制するだけでなく、攻撃性や行動障害などの行動・心理症状の進行も抑制します。承認前の臨床試験による主な副作用として、 めまい(4.7%)、便秘(3.1%)、体重減少(2.2%)などが報告されています。 Aレミニール 一般名は「ガランタミン臭化水素酸塩」です。アセチルコリンエステラーゼ阻害作用とニコチン性アセチルコリン受容体へのアロス テリック増強作用を併せ持つ薬で、アリセプトと作用機序が似ているところがあります。軽度〜中等度のアルツハイマー型認知症に 有効といわれています。承認前の臨床試験による主な副作用として、悪心(15.5%)、嘔吐(12.5%)、食欲不振(8.3%)、などが 報告されています。 両薬剤とも、副作用として精神症状の出現が少なからず報告されています。 (@は5.5%、Aは5.8%)。 処方を希望される場合、心療内科や精神科、もの忘れ外来を開設している医療機関での処方が望ましいと思われます。 (執筆者紹介/心療内科あおぞらクリニック院長) ![]() |