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夜間高血圧を 知っていますか 美唄市医師会・井門 明 |
夜間高血圧とは、夜間睡眠中の血圧が高いこと(平均値で120/70mmHg以上)をいいます。血圧は一日の中で変動し、
昼間高く夜間低下するという周期が認められます。通常の血圧日内変動において、夜間血圧は昼間の覚醒時と比較して
10%〜20%低下します。(正常型)。ところが、この夜間の血圧低下が少なかったり(夜間非降下型)、逆に夜間の
方が昼間より高い血圧を示す(夜間上昇型)ことがあります。この夜間非降下型や夜間上昇型の人は、正常型の人と
比較して脳、心臓、腎臓などの臓器障害を起こしやすく、また心筋梗塞や脳卒中を発症する確率が高いことが多くの
研究からわかってきています。 夜間高血圧が起床後まで持続している場合、家庭血圧測定により「早朝高血圧」として検出されます。一方、早朝や 就寝前に測定した家庭血圧は高くなくても、夜間睡眠中の血圧のみが高い人もおり、血管障害が進行して心筋梗塞や 脳卒中を起こす危険性が高いといわれています。では、夜間の血圧はどのように測定するのでしょうか。 近年、精度の優れた小型軽量の携帯式自動血圧計が開発され、この血圧計を使い24時間にわたって自由行動下での 血圧測定ができるようになってきました。これにより、昼間や早朝はもとより夜間の血圧情報も簡単に得られるように なりました。この検査は2008年4月から健康保険の適用も認められており、高血圧診療において欠かせない検査に なってきています。 (執筆者紹介/井門内科医院院長) ![]() |