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脳梗塞と関わり深い心房細動 美唄市医師会・佐藤 功 |
心房細動は、高齢者や高血圧を合併する人に多く出現し、年々増加している不整脈疾患です(70歳代で約7%)。
現在、日本全体での患者数は約100万人といわれています。発作性と慢性の2種類があり、後者の場合は発症しても
自覚症状がない人もいます。 心房細動とは、心房が高頻度に細かく収縮するもので、心室に伝えられる心拍間隔が不規則になります。頻脈により 拡張期の時間が短くなることで「心不全」を合併したり、左心房に形成された血栓が原因で「脳梗塞」を引き起こす場合 があります。脳梗塞になった方のうち、約25%がこの心房細動に起因し、重症化しやすいとされています。 そのため心房細動を早く見つけて治療を行うことは極めて重要です。 動悸を訴える方は、ホルター心電図検査により心房細動を発見できる場合があります。この検査は外来で行えるもので、 24時間の心電図を記録・解析するものです。 治療は抗不整脈薬による洞調律維持および心拍数の適正化と抗凝固薬による塞栓症の予防が中心となります。 抗凝固薬であるワーファリンを開始すると、食事制限や定期的な血液凝固検査が必要となりますが、今後これらが必須でない 新しい抗凝固薬の登場が期待されます。また、最近では心臓カテーテルを用いて心房筋を電気的に焼灼することで心房細動 を治療する試みも行われるようになってきました。 自己検脈で気がつくこともありますが、近くの医療機関で定期的に心電図検査を受けることをおすすめします。 (執筆者紹介/北海道中央労災病院せき損センター副院長) ![]() |