脊髄損傷のリハビリテーション
美唄市医師会・楫野 知道

当院は、平成20年4月から北海道中央労災病院せき損センターとして名称が変わりました。従来の医療に加え、 より良い脊髄損傷の治療が提供できるよう職員一同、日夜努力しています。 中でも脊髄損傷患者さんのリハビリテーションは大きな課題の一つです。
「リハビリテーション」という言葉には「再びふさわしい・望ましい状態にする」という意味があります。 現代の医学は日々進んでいますが、脊髄損傷による麻痺の改善には限界があります。だからこそ合併症を未然に 防ぎ、残った機能を最大限発揮できるようにすることがとても大事です。
患者さんのリハビリテーションを行うスタッフはPT(理学療法士)とOT(作業療法士)と看護師が中心と なります。PTは体の筋力強化、関節の可動域訓練、呼吸訓練、車いす駆動、移乗訓練などを行い、OTは 主にこれらの訓練で培った能力を実際の日常生活動作につなげる訓練をします。
看護師はPT、OTとともに入院生活の中で日常生活動作の自立を助け、精神面でのサポートもしています。
このようなチーム医療に加え、脊髄損傷患者さん自身のピアサポート(同じような障がいを共有する仲間同士の相互支援) や院内で働く多くの職員の支えがあることが、当センターで脊髄損傷のリハビリテーションを円滑に行う原動力となって います。
皆さんも、当センターに来られた際はリハビリテーション科訓練室に来ませんか。
きっと患者さんや職員の頑張っている姿に元気をもらってもらえるはずです。
(執筆者紹介/北海道中央労災病院せき損センター整形外科部長)