パニック発作について
美唄市医師会・石本 隆広

突然、なんのきっかけもなく、どうき、息切れ、呼吸困難、めまい、吐き気などの症状が何回も発作のように 繰り返されるとき、これらの症状はパニック発作のことがあります。
パニック発作は、つぎの13項目のうち、4つ以上の症状が同時に起こる特徴があります。
(1)心臓がドキドキする
(2)汗が出る
(3)からだが震える
(4)息切れがしたり、息苦しさがある
(5)喉に何かつまったような窒息感
(6)胸の痛み、胸の不快感
(7)吐き気、おなかの不快感
(8)めまい、ふらつく感じ、気が遠くなるような感じがする
(9)今、起こっていることが現実でないような感じや、自分が自分でないように感じ
(10)コントロールを失うこと、または気が狂ってしまうのではないかという恐怖
(11)このまま死んでしまうのではないかという恐れ
(12)からだの一部がしびれる感じ
(13)寒気がする、または熱っぽく感じる
(DSM−W−TR 精神疾患の分類と診断の手引き 医学書院(2003)より、一部改変)

このように、これらの症状には
@心電図や血圧などを検査しても身体的な異常が見つからない
A多くの場合、症状は5〜20分くらいでおさまる
B発作が始まってから10分以内にピークが訪れる
C発作は何回も繰り返す
という特徴もあります。
パニック発作は、患者さんにとって大変つらい症状です。このため、発作に対して強い不安を感じるようになり、ひどくなると うつ病などの合併症も起こす場合もあります。類似の症状でお困りの方は、一度心療内科や精神科の受診をお勧めします。
(執筆者紹介/心療内科 あおぞらクリニック院長)