![]() |
子どもたちを守るために! 美唄市医師会・井門 明 |
小児科に通院中の子どもがいる家庭を対象にした調査によると、子どもへのたばこの害を知っているかどうかとの
質問に、ほとんどの親が「よく知っている」と答えている一方で、子どもの前でたばこを吸う人がいる家庭がそのうち
6割を占めたそうです。大人よりも大きなダメージを受けやすい子どもたちの受動喫煙の害について、大人たちが
軽んじているか、正しく理解していないことがその理由ではないかと考えられます。 子どもの受動喫煙は、乳幼児突然死症候群、気管支ぜんそく、中耳炎などの疾患の原因になるだけではなく、身長の 伸びが悪くなる、知能の発達が劣る、成人後の発がん率が高まる、メタボリック症候群になりやすくなるなど、 深刻な影響が指摘されています。 受動喫煙とは、たばこの先端から立ち上がる副流煙や喫煙者の吐き出す煙を吸い込むことです。ここで誤解されやす いのは、子どもの受動喫煙は、家庭が吸っているたばこの煙を直接吸い込むことだけを考えがちなことです。 子どもの前でたばこを吸わなければ、受動喫煙を減らせると誤解していませんか? 受動喫煙の大半は、室内空気中に滞留しているたばこの煙を、知らず知らず長時間にわたって吸うことによって起きて います。閉め切った部屋では、目に見えず煙たさを感じなくても、たばこの煙は空気中に滞留してます。 こうした部屋で数時間過ごすと、直接喫煙者の側にいてたばこの煙を吸ったのと同等か、それ以上の煙を吸うことに なります。 避ける手段を持たない子どもの受動喫煙を減らすためには、家族の禁煙が最良の手段ですが、それができなければ室内 では吸わず、必ず屋外で吸うようにしましょう。 (執筆者紹介/井門内科医院院長) ![]() |