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睡眠時無呼吸と突然死 美唄市医師会・花田 太郎 |
睡眠時無呼吸(睡眠中のイビキ、呼吸が止まる病気)の話題です。 近くに睡眠時無呼吸の人がいると、周りの方は「ああ、この人はこのまま呼吸が止まって死んでしまうのではないの かしら」と心配される方がたくさんいます。また、眠っている最中に呼吸が止まってしまう当の本人 (睡眠時無呼吸の患者さん)は、それを逆手にとって「自分は眠っている間にポックリ死んでしまうから大往生だ」 と言っている方も少なくはありません。 残念ながら(?)、成人の睡眠時無呼吸症候群で突然死することはないと言われています。しかし、睡眠時無呼吸は さまざまな合併症を伴うため、ボディーブローのように体を痛めつけます。 1時間当たりの無呼吸数が20回以上の睡眠時無呼吸患者さんは、無治療のまま放置していると、9年後には心臓病、 脳卒中、糖尿病、交通事故(居眠り運転)などが原因で10人に4人が亡くなってしまうと言われています。 たとえ死に至らなくても、重症の脳卒中や糖尿病は、さまざまな体の不自由さを伴うことは容易に想像できると思います。 特に睡眠時無呼吸が原因の居眠り運転は、自分の生命だけでなく他人の生命をも危ぶむ可能性があります。 安らかに人生を全うするためにも、夜間の無呼吸・イビキのある方は専門の医療機関を受診してください。 (執筆者紹介/花田病院院長) ![]() |