大腸がん早期発見のために
美唄市医師会・中村 雄一

近年、食生活の欧米化に伴って日本人の大腸がんが急激に増加しています。
大腸がんの発生は40歳代から増加し、60歳代の人が最多となっています。大腸がんになりやすい要因として、
@大腸にポリープがある
A家族に大腸がんになった人がいる
Bそのほかのがんや炎症性腸疾患の既往があるなど
が挙げられます。
大腸がんは、ある程度進行すれば血便、下腹部痛、便通異常(下痢や便秘)、便が細くなるなどの症状が見られますが、 早期のうちはほとんど症状がなく、目に見えない微量の出血が生じる程度です。
そこで、大腸がんの早期発見のために、40歳以上を対象に「便潜血検査」が大腸がん検診として行われています。 この検査で陽性となった場合は、精密検査(大腸内視鏡検査)が必要となります。便潜血検査で陽性となっても、 大部分は痔、次いでポリープからの出血によるもので、大腸がんが見つかるのは5%くらいと言われています。 しかし、この5%の大腸がんを発見して治療することが重要なので、陽性となった方は必ず精密検査を受けましょう。
精密検査を受けなければ、検診を受けた意味がなくなってしまいます。
また、便潜血検査で陰性となった方、あるいは検診を受けていない方でも、先ほど挙げた@〜Bに当てはまるような大腸がん になりやすい要因のある方は、できるだけ精密検査を受けた方が安心です。
大腸がん検診で精密検査が必要と言われた方、あるいは大腸がんが気になる方は、一度消化器内科の受診をお勧めします。
(執筆者紹介/なかむら内科・消化器科クリニック院長)