![]() |
ガングリオンのお話 美唄市医師会・吉田 澄子 |
足首や手足にできやすいこぶ状のもののひとつに、ガングリオンがあります。 先月紹介した滑液包炎に似ていますが、これよりも少し固くて、触るとコロコロ しています。 女性にできやすく手首に出ることが一番多いのですが、手や足の甲、 指の関節の周りにも出ることがあります。 たいがいは触っても痛くはないのですが、 中には痛みを伴うものもあります。 ガングリオンは滑液包炎とは違い、もともとあったものが炎症を起こしてこぶ状に なるのではなくて、 関節周辺の組織が変化して袋状になり、中には透明なゼリー状の物質がたまってこぶ状になるのです。 ひとつの袋からなるものもあれば、ブドウの房のようにたくさんの袋がつながっているものもあります。 珍しいものでは、膝の関節の中にある半月板から発生するものや、骨の中に発生するものもあります。 このガングリオンは軟部腫瘍に分類されますが良性のもので、治療も注射針を刺して 中のゼリー状のものを吸引するだけです。再発を繰り返したり痛みを伴ったりするなど、 生活に支障が出るようなら手術で取り除く必要がありますが、症状がなくあまり大きく ないものはそのままにすることもあります。 手首のこぶが気になる方は、ぜひご相談ください。 (執筆者紹介/市立美唄病院整形外科医長) ![]() |