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滑液包炎のお話 美唄市医師会・吉田 澄子 |
滑液包というのは、関節の周囲など摩擦を受けやすい場所に生じる袋状のものです。滑液包に過剰な
摩擦が加わると、炎症を起こしてこの中に水(滑液)がたまってきます。始めのころは柔らかい膨らみ
ですが、何度も炎症を繰り返すうちに滑液包の壁が厚く固くなり、こぶのようになってきます。
よく見られるのが足首の外くるぶしです。正座をしたり膝をついて仕事したりする人にできやすいと
言われています。肘にもできやすく、肘をついて仕事をする人や、立ち上がる時によく肘を支えにする
人に見られます。このほか膝蓋骨の前やアキレス腱の周り、肩や股関節にも生じることがあります。
多くは痛みを伴うことはないのですが、肩や股関節では石灰が滑包液の中にたまり激しい痛みを生じる
ことがあります。湿布を貼って安静にするだけで膨らみが消失することがありますが、なかなか小さく
ならない場合は注射器で中の水(滑液)を抜き取ります。
肩や股関節で痛みを伴う場合は、注射器で炎症を抑えるステロイドを注入します。一度良くなっても
摩擦を受けるとまた炎症を起こしやすくなるので、日常生活でも必要以上に膝をついたり肘をついたり
しないよう気をつける必要があります。くるぶしのこぶが気になる方、一度ご相談ください。
(執筆者紹介/市立美唄病院整形外科医長) ![]() |