![]() |
ばね指のお話 美唄市医師会・吉田 澄子 |
草刈りや草取りのあと、指のつけ根が痛かったり、指がカクンカクンとなったりすることはありませんか?
もしそうならそれは「ばね指」かもしれません。指には、曲げる腱(屈筋腱)と伸ばす腱(伸筋腱)があり、
その周りには腱鞘という支えがあります。手指を使いすぎると、この腱鞘が炎症を起こし、厚く固くなって
しまいます。そのため腱が動きにくくなってしまうのです。屈筋腱では指のつけ根のところで腱鞘が炎症を
起こしやすく、動かすとばねのようにカクンカクンとするのです。親指に起きることが一番多く、続いて中指
、薬指、小指の順で、人差し指はあまりないようです。手の使いすぎが一番の原因ですが、関節リウマチや
糖尿病などによる炎症や妊娠、更年期などのホルモンバランスの変化でも起こることがあります。
治療はまず何よりも、手を使いすぎないことです。日常生活で必要最小限のことにとどめておいて下さい。
力仕事ではないからといって編み物をしたり、書き物をしたりするのも、指に負担がかかりますので控えま
しょう。湿布や塗り薬も効果的です。痛みが強いときは腱鞘の中に局所麻酔剤入りのステロイドホルモンを
注射します。これらの治療で8割以上の方が治るのですが、なかなか良くならない方もいます。
その場合は手術をおすすめしています。「腱鞘切開術」といい、固くなった腱鞘を縦に切り開き、腱を動き
やすくする手術です。手術時間は15分ほどで、局所麻酔で行います。 最近指がカクンカクンとなる方、指のつけ根が痛い方、一度ご相談ください。 (執筆者紹介/市立美唄病院整形外科医長) ![]() |