水虫と爪白せん
美唄市医師会・中坂 光宏

冬の間は自然軽快していても、高温多湿のこの時期に再び増悪する水虫に悩んでいる人は多いのでは ないでしょうか。その第1の原因として、中途半端な治療があげられます。角質層のターンオーバー (新陳代謝)は約28日間であることから、外用薬の場合、角質層が入れ替わる約1ヶ月間は塗布を 続けないと水虫の菌を根絶できません。最近は、市販薬でも1〜2週間程度で自覚症状の改善が得ら れるため、そこで治療を中断してしまうひとが多いようです。さらに、症状のある部分だけでなく、 周囲にも菌は潜んでいるため、広範囲に薬剤を塗布する必要がありますが、塗り残しが多くなかなか 完治に至らないようです。第2の原因は再感染です。いったん治癒しても、家族に罹患者がいれば 再感染することがあります。それを回避するためには、足を乾燥させること、足ふきマットやスリッパ を共用しないといった日常生活の注意だけでなく、家族全員が同時に治療することが望ましいようです。 つぎに、肥厚や変形、混濁した爪の方はいないでしょうか。このような場合、すべてではありませんが 「爪白せん」、つまり爪に水虫の菌が潜んでいる可能性があります。これを治療するための内服薬で、 かなり効果のあるものが出てきております。完治までには1年近くかかりますが、日常生活で不便を 感じている方は、一度試してみる価値はあると思います。
(執筆者紹介/中坂医院院長)