「タバコをやめよう」と
「イビキを止めよう」

美唄市医師会・花田 太郎

タイトルの2つの言葉には共通点があります。皆さん、お分かりになるでしょうか?答えはいずれも「病院で治療 できるもの」です。タバコの害は、皆さんがよく知っていると思います。 喫煙は自分のみならず、同居の家族の発がん率を高めます。副流煙(タバコから直接出てくる煙)は、フィルター を通った煙より何倍も毒性が強いからです。最近の研究では、別室や換気扇の下でタバコを吸っても家族に悪影響を 与えることが分かっています。今まで禁煙の治療といえば、ニコチンのガムやシールが主流でしたが、今年から 「飲む」禁煙薬が保険適用となりました。禁煙薬を服用することで「タバコを吸いたい」という気持ちやタバコから 得られる満足感を抑えます。続いて「イビキ」ですが、残念ながら普通のイビキは病院では止めることができません。 しかし、以前にも紹介した、呼吸が止まるイビキ「睡眠時無呼吸」は、病院で検査のうえ「止める」ことが可能です。 睡眠時無呼吸が日中の眠気や居眠り運転、高血圧や糖尿病などの成人病を引き起こすことはよく知られていますが、 そのほかにもさまざまな合併症を起こすことは意外にも知られていません。 夜間の頻尿、胸焼けやインポテンツも代表的な睡眠時無呼吸の症状で、治療して初めて「楽になった」という方も たくさんいるようです。 新年度になり「タバコ」や「イビキ」が気になる方、ぜひ病院の門を叩いてみてはいかがでしょうか?
(執筆者紹介/花田病院院長)