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血小板の話 美唄市医師会・城下 紀幸 |
血小板という細胞をご存じですか?人間の血液の中には赤血球、白血球、血小板などの大事な細胞が
含まれています。主に赤血球は体内に酸素を運搬し、足りなくなると貧血症状を引き起こします。
白血球は体の免疫や抵抗力に関係し、異常をきたすと感染症にかかりやすくなったり、治りにくく
なったりします。では血小板は?血小板は血を止める大事な細胞なのです。ぶつけた覚えがないのに
紫斑(あおたんやぶち)ができたり、歯茎から血が出たり、鼻血が止まらなくなったり、胃や腸から
出血して便に血が混じったりした場合は血小板に異常がある可能性があります。
血液検査ですぐにわかりますので、最寄りの医療機関で調べてもらうことをお勧めします。
そして、もし血小板が少ないなどの異常があったら、その原因は何か調べる必要があります。
血液を造る骨髄の病気(白血病、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群など)なのか、免疫が関与している
突発性血小板減少性紫斑病やある種の膠原病なのか、肝硬変や脾臓の病気の可能性もあります。
または薬物や放射線治療によって一時的に減っている可能性もあります。
専門的な治療を必要とする場合がありますので、血小板減少を指摘された時は速やかに専門医を受診して
ください。また、出血傾向は必ずしも血小板だけの異常で起こるわけではなく、凝固系の異常で起こること
もあり、血小板が何ともなくても出血が続く時は、やはり専門医を受診してみてください。
また、血小板が増える病気もあり、これは血が固まりやすくなるので、血栓を作りやすくなり、脳梗塞や
動静脈の血栓症を引き起こすことがあるので厄介です。
(執筆者紹介/しろした病院院長) |