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白内障について 美唄市医師会・佐藤 克俊 |
水晶体は光彩の後方中央に位置する器官で、透明な凸レンズの形をしています。
外からの光を屈折させ、焦点を合わせること(調節)などが主な働きです。
若い時期の水晶体は透明で柔軟ですが、年齢とともに硬く、厚みを増し、混濁してきます。
水晶体の透明性が何らかの原因で障がいされた状態を総称して白内障と呼んでいます。
白内障になると、光がきちんと網膜に到達することができなくなり、さまざまな症状が起こります。
白内障の症状は、さまざまな視機能障がいです。軽度の白内障の場合には、明るい場所での視力低下
やまぶしさを自覚することがあります。
物が何重にも見えたり、近視、遠視、乱視が進むこともあり、徐々に視力が低下してきます。
瞳の中が白く見えるほどに進行した場合には、手の動きや光がわかる程度に視力が低下します。
また、目の状態によっては緑内障を起こしやすくなることがあります。さらに進行すると水晶体が
眼内で破裂して失明に至ることもあります。
白内障の治療は、日常生活に支障がいない程度であれば、点眼薬や内服薬により白内障の進行を遅らせられます。
これらの薬剤は、水晶体が濁るスピードを遅くするもので、症状を改善したり、視力を回復させることはできま
せん。白内障が進行して日常生活に不自由を感じるようであれば手術を行います。手術時間は通常20分程度
ですが、目の状態により異なりますので近くの眼科医師にお尋ねください。
(執筆者紹介/びばい眼科クリニック院長) ![]() |