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背骨のけがと 北海道中央労災病院 美唄市医師会・須田 浩太 |
美唄労災病院は「北海道中央労災病院」と名前が変わる予定です。その中でせき損センターを担うことになっています。
せき損とは首・背中・腰などを痛めて、背骨の中を通る神経を痛めてしまうけがのことです。
例えば、頚髄(首)損傷では手足が動かない・感覚がない・おしっこが出ない・便が出せない・・・などの症状に
なります。重傷だと息ができない・声が出ない・食事ができないなどが加わります。急性期は手術や全身管理が必要
ですし、慢性期には社会復帰や退院を目指してリハビリが必要です。
せき損では全期間を通じて数多くの合併症が発生し、予防と治療が大切になります。
よって多くの診療科によるチーム医療が大切です。せき損は特殊なけがなので専門病院が少なく、北海道では美唄にしか
ありません。ここは急性期から慢性期まで一貫した治療が行われている国内でも有数の専門施設です。現在は医師不足
のために限界が生じていますが、せき損医療を守るべく努力しています。
また、当院は脊椎外科(背骨の手術)に関しても全国的に有名で日本脊椎脊髄病学会アドバンスコース認定施設
(脊椎外科の先端教育施設、全国61施設・・・各都道府県に平均1.3施設しかありません)に選ばれています。
最高水準の脊椎手術が提供できるように努力し続けて参ります。
背骨には数多くの病気が存在します。手足のしびれ、痛み、脱力、歩きづらい、立っていられないなどの症状が「ひどい」
、あるいは「悪化する」場合は、精密検査をお勧めします。
遠方から宿泊覚悟で外来受診される患者様も稀におります。外来の待ち時間が3時間を越える日は市外の患者様が多い
ためで、市民の皆様にはご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。この場をお借りして深くお詫び申し上げます。
(執筆者紹介/美唄労災病院勤労者腰痛・せき損センター長) |