足の指が痛い!(痛風)
美唄市医師会・東條 泰明

ケガをした覚えがないのに、朝起きたら足の指が痛くなることはありませんか。最近、宴会が多くてお酒を よく飲んだり、汗をたくさんかいたり、あまり水分を取らないようでしたらご注意下さい。 痛風をご存知ですか?風が吹いても痛いことからそう呼ばれる疾患です。男性に多く、関節、特に足の親指 が突然痛みに襲われ、数日後には何もなかったように治ってしまいます。 実はその関節だけの問題ではなく痛風は全身の疾患で、肥満や高血圧、高脂血症などを合併することが多く、 メタボリックシンドロームの要素として注目されています。 私たちが飲んだり食べたりするものほとんどすべてに含まれるプリン体(核酸物質)が、体の中で代謝され 尿酸が生成されます。尿酸が大量に生成されたり、体外に排出する量が減ると血液の中に溶けきれなくなります。 溶けきれない尿酸は関節などにたまり、炎症を引き起こすため痛いのです。 放置すると関節の破壊のみならず、腎臓機能が低下し腎不全となる場合もあります。したがって痛風の治療は、 関節の炎症を治療すると同時に血液中の尿酸を調節する必要があるのです。 また、日常生活でもプリン体の多く含まれる食品は大量に取らないことや、脱水にならないように適度に水分を とることも大切です。普段は症状がありませんので時々血液中の尿酸を測定し、指標にすることが望ましいで しょう。もしすぐに治ってしまうような痛みを経験されたのであれば、一度医師にご相談してみてはいかがで しょうか?
(執筆者紹介/美唄労災病院整形外科副部長)