指の第一関節が腫れると?

美唄市医師会・笠島 俊彦

中高年の女性で、よく指の第一関節が腫れて痛みがありリウマチが心配だと言って来院される方がいらっしゃいますが 、多くは「へバーデン結節」という関節の変形です。この変形は、体質的な因子に手の使いすぎなど環境的な因子が加わって 、年齢とともに出現してくるもので、第一関節の軟骨が減って骨が出っ張ってくる病気です。痛み止めの軟膏を塗ったり 、シップを貼ったり、動かして痛いときはテーピングをして固定などをしていると変形は残りますが自然に痛みが消えること が多く、心配する病気ではありません。まれに指の甲側に風船のように皮膚が薄くなりふくらみが出ることがありますが、 この場合は薄くなった皮膚が破けるとばい菌が関節にはいることがあるので処置が必要になることがあります。 また、どうしても痛みがとれなかったり、変形が強く指が使いづらい場合は、第一関節を固める手術をすることがあります。 同じように年齢的な原因で指の第二関節が腫れる場合もありますが、こちらは頻度的にはかなり少なく他の病気の可能性 があります。両手の第二関節が腫れたり、指の付け根の関節や手首が腫れる場合はリウマチの可能性があります。 また、リウマチの場合「朝のこわばり」といって朝起きた時に指の曲げ伸ばしがスムーズにできないことがあり、このような 症状がしばらく続く場合には、一度病院に行って、診察を受けることをおすすめします。
(執筆者紹介/労災病院整形外科部長)