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肛門部位の痛みについて 美唄市医師会・中坂 光宏 |
肛門部位の病気はさまざまありますが、つぎの3つが3大疾病とされ、いずれも痛みや出血、炎症を伴うことがあります。 痔核(いぼ痔) 歯伏線(直腸と肛門の境目)の内側または外側にできるもので、治療は、外用薬や内服を用いますが、痛みの強いもの、出血 のひどいもの、痔核が外に出っぱなしのものは手術が必要になります。 裂肛(切れ痔) 外用薬を中心に治療しますが、痛みや出血、裂け目が広ければ、皮膚を移植する手術(SSG)などが必要になります。 痔ろう(あな痔) 下着の汚れなどの原因になりますが、肛門周囲のう瘍などを引き起こすことがあり、薬の内服のほか手術が必要なことがあります。 ほかに、肛門狭窄、直腸脱、毛髪洞、ポリープなどさまざまな疾患があります。恐ろしいのは、肛門からの出血を痔核などと自己 判断して直腸癌を見落とすことです。出血が続く場合は、病院などの受診が大切です。 最近、欧米型の食事、生活スタイルになり大腸癌は増加傾向にあります。年に一度は、便潜血反応などの検査をお勧めします。 (執筆者紹介/なかさか医院院長) |