不眠症

美唄市医師会・石本 隆広

不眠症とは「よく眠れない」「一睡もできない」などと患者さんが自覚する病気です。つまり、はたから見てよく眠って いても、本人が「眠れない」と訴えれば不眠症と診断できます。 人間の平均的な睡眠時間は8時間ですが、実際には5〜6時間でも平気な人もいれば10時間くらい眠らないと満足できない 人もいます。また、単純に睡眠時間の長さだけでなく、朝目覚めたときの不快感、1日を通しての日常生活への支障の度合い なども問題になります。すなわち、不眠症にはその人にとっての「睡眠時間の短さ」と「睡眠の質の悪さ」の2つの要素が 考えられます。不眠症には簡単な分類でづぎの3つのタイプに分けられます。
入眠障がい
寝つきの悪いタイプで、この型の人は一旦寝ついてしまえば、あとはよく眠ることができて目覚めも良好です。
早朝覚醒
寝つきが比較的よく、すぐに眠れますが、夜があけないうちに目が覚めてしまい、そのあと眠れないタイプです。
熟睡障がい
睡眠の途中で何回も目覚め、眠った気がしないタイプです。これらの治療については寝室や寝具に工夫して眠りやすい 環境をつくる、濃いお茶やコーヒーなどを控えるなど日常生活で工夫をしてみてください。 それでも、どうしても眠れないときは医師に相談をしてください。この場合睡眠薬による治療が一般的です。前述の3タイプ のどれにあてはまるかによって、使用する睡眠薬は異なります。 最近の睡眠薬は身体的依存(「癖になる」こと)が少なく、安全に使用できるようになりました。 ただし、医師の指示に従って、服用量、服薬時間、服用上の注意事項をしっかり守って使用しましょう。
(執筆者紹介/美唄希望ヶ丘病院院長)