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前立腺の病気 美唄市医師会・大下 倉藤生 |
男性の場合、加齢とともに尿が出づらい、時間がかかる、夜間トイレに何度も行く、トイレまで我慢できないほどの
排尿に関する症状が出ることがあります。男性の生殖器官の一つである前立腺の中を尿道が通っており、この前立腺
が大きくなるこのような症状が現れます。これを「前立腺肥大症」といいます。 「歳のせいだから」と諦めている方も多いのですが、放置すると尿が膀胱からまったく出なくなったり、腎臓に影響を 及ぼすこともあります。症状のある方は、一度泌尿器科を受診してみてください。 また、前立腺疾患には癌もあり、近年増加しています。前立腺癌は進行した場合を除き、癌特有の症状はなく、多くは 前立腺肥大症と変わりありません。 以前は、骨転殖を有するような進行癌で見つかることも多かったのですが、現在、血液検査で腫瘍マーカー(前立腺 特異抗原PSA)の測定が可能になってから早期の段階で診断される方が増えています。確定診断には前立腺の一部を 採取して病理診断を行う前立腺生検が必要ですが、スクリーニングとして、この血液検査が有用です。 人間ドックで行っていることも多いので、無症状であっても50・60歳代の男性はうけてみると良いでしょう。 (執筆者紹介/労災病院循環器科部長) |