癌検診、定期検査を積極的に受けさらに健康長寿を

美唄市医師会・山口 修史

健康長寿を目指そうと前月お話ししましたが、もう1つ課題があります。癌です。日本国民の脂肪順位を考えてみましょう。 厚生労働省が発表した平成16年人口動態統計概数によると、同年の死因1位は癌で(32.1%)、2位は心疾患(15.5%)、3位は 脳血管疾患(12.4%)でした。この三大死因で60%を占め、癌死亡率が心脳疾患と比べて2倍高くなっています。 さらに癌を部位別にみると、肺癌が1位、胃癌が2位、大腸癌が3位です。男性は肺癌が1位、胃癌が2位、女性は胃癌が1位、 大腸癌が2位です。それに名古屋市の疫学調査では糖尿病の患者さんの4割近くが癌で亡くなっているというデータがあります。 壮年者の病死の半分を占める癌死を生活習慣の改善だけで予防できるでしょうか? 確かに、禁煙、緑黄色野菜の摂取などにより、癌の発生を減少させることができるという疫学データはあります。しかし、生活 習慣を改善しても発癌を完全に予防することができるわけではありません。 さらに、一度発生した癌は、検診、定期検査などで発見されず放置されると、その多くは致命的な結果を及ぼします。 癌死を防ぐためには、生活習慣の改善と癌検診、定期検査による早期発見、早期治療が車の両輪のように必要です。 そうすることで健康長寿を目指していきましょう。
(執筆者紹介/市立病院副院長)