高血圧治療ガイドライン
2004から


美唄市医師会・山口 修史

昨年12月に高血圧治療のガイドラインが4年ぶりに改訂され、日本高血圧学会から「日本高血圧治療ガイドライン2004年度版(JIH2004) として発表されました。降圧目標が高齢者140/90mmHg未満、若年、中年者130/85mmHg未満となり、より厳重な降圧が設定され、 以前より増して家庭血圧の測定が重要視されています。脳、心血管病を増大させるリスクが高い逆白衣高血圧(仮面高血圧)と早朝高血圧 も新規に加えられましたので、血圧を家で測定してみてはいかがでしょう。朝は起床後1時間以内の排尿後、座位で1〜2分安静にした後、 朝食前の降圧薬服薬前に、夜は就床前に1〜2分座位で安静にした後に測定するのがよいでしょう。その他、心血管病の危険因子に喫煙、 糖尿病に加えて肥満(特に内臓肥満)が追加され、臓器障害の評価に頸動脈内膜−中膜壁厚も加えられました。 また、生活習慣の修正項目が大幅に変更され、食塩制限7g/日以下を6g/日未満にすることや、野菜、果物の積極的摂取の追加、 有酸素運動を毎日30分以上を目標に定期的に行うことを勧めています。 高血圧の治療を受けている方はその結果をもとに主治医と相談しましょう。 人生を合併症予防という目標だけで生きるわけにはいかないでしょうが、主治医との相談でどうやって日常の生活の質を上げていくかの参考に していただければと思っています。
(執筆者紹介/市立病院内科医長)