やけど(熱傷)

美唄市医師会・藤岡浩賢

冬になるとやけど(熱傷)で受診する方が増えてきました。一番多いのはやかん、みそ汁、ラーメンなど液体 によるやけどですが、まず最初にすることは、やけどの部分を冷やすことです。できるだけ早く水道水をかけるなど して、少なくとも30分間は冷やしてください。もっと長くてもかまいません。冷やすことで痛みを少なくすることが でき、やけどの部分にできる水泡(みずぶくれ)を小さくすることができます。冷却は多くの方が実行していますが 気をつけなければならない点があります。衣類の上から湯がかかった場合、衣服を脱がす、すぐ服の上から冷やして ください。また、冷やした後にぬれた衣類を脱いではいけません。脱いでしまうとやけどの水泡が破けてしまい、痛 みが強くなるほか細菌が入り化膿しやすくなってしまいます。衣類はハサミで切って取りましょう。衣類はまた買う ことができますが、皮膚は買えません。水疱ができれば二度熱傷となり市販のクリームでは手に負えないので、医療 機関での治療が必要です。馬油、キャベツやアロエの葉は使わないでください。受診ができない状況なら薬局で白色 ワセリンを買って、それを厚めにガーゼに塗って貼ってください。水疱はやけど直後はなくても、翌日にできること もあるので、翌日も確認してください。やけどの場合「餅や天ぷらを食べない方がよいでしょうか」とよく質問され ますが、特に何を食べてはいけないということはありません。
(筆者紹介/美唄労災病院形成外科部長)