夜間休日の小児科救急医療

美唄市医師会・永田 康

全国的に産婦人科と小児科の医師不足が問題になってきました。空知でも産婦人科医師の負担を軽減して 「責任の持てる医療」を実施していくためのセンター病院構想として砂川市立病院に医師を集め、その結果 美唄に産婦人科医師の常勤がなくなりました。
実は小児科でも同じようなことが検討されています。夜間・休日に十分な小児科医療救急医療が実施できる ように、小児科医が10人程度いる「拠点病院」を設けて、24時間365日小児科専門医が対応できるようにしようと。
小児科学会や厚生労働省で検討されています。しかし、現在小児救急患者として来られる患者さんのほとんどは外来で 診たことにあるお子さんです。連絡を受けて「ああ、誰々ちゃんだな」とわかることが多いのが現状です。 今の美唄の体制ではすべての小児救急患者を診るために小児科医が24時間病院に待機していることは不可能です。 どうしてもまずは、当直の他科のお医者さんに診察をお願いして必要があれば呼び出していただくことも生じます。 お風呂や外出中ですと病院に着くのに時間がかかることもあります。 しかし、小児科医が不在となり、遠くの病院に行くことしかできないようになることを考えると現在の環境が決して 悪いものとは言えないと思います。「地域医療」は「患者さんの顔が見える医療」と私は思っています。 小児の疾患は、症状が急に強くなることが良くあります。子どもさんの調子の悪いときはきりぎりまで待たないで なるべく早めに昼間のうちに受診しましょう。
(筆者紹介/市立美唄病院小児科医長)