介護保険スタートから3年を経て@

美唄市医師会・吉村誠治

介護保険制度は老後最大の不安原因である「介護」を社会全体で支えるために平成12年4月からスタートしました。 現在美唄市の高齢化と介護保険の状況は、人口30,071人のうち65歳以上人口は8,284人(平成16年1月末現在)で 高齢化率は27.5%、また要介護認定者は1,279人認定率は15.4%、居宅サービス利用者649人、施設サービス利用者317人 で合計966人(平成16年1月市町村事業報告数値)となっています。介護認定審査会は医師4人を含む11人委員で構成し、 2グループで月4回開催、1回に37人程度のの審査を行っています。市内の介護3施設の入所可能数は、介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム)恵祥園59人、介護老人保健施設(老健)コミュニティーホーム美唄80人、介護療養型医療施設 (療養型病床群)花田病院60人、しろした病院50人の計249人です。市外の方が入所されているということもあり、70人程度 の方が札幌などの市外施設でサービスを受けていることになります。介護を受けたい場所として8割の人が「在宅」と希望 されています。介護保険の本質である「自宅で、住み慣れた地域で、安心した老後を送る」ということが望まれている訳です。 しかし、24時間の在宅介護は無理が加わり、特に痴呆老人を抱えた家族は途方にくれています。止むを得ず施設入所を希望 しても介護施設が空くまで待機されているのが現状です。介護保険がスタートしてからも痴呆対応型共同生活介護(グループ ホーム)アルメリア18人、同ななかまど15人のサービスが開始し、さらに介護保険事業とは別にケアハウスハーモニー50人 も開設されて、利用者のニーズに応える施設ができつつあります。それらが、要介護者の選択の範囲を広げ、競争原理が働く ことで質の向上が図られることが期待されます。施設と在宅のバランスが上手に取れることを願うものです。
(執筆者紹介/しろした病院顧問医学博士)