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「寒いと指の色が変わる:レイノー現象の話」 美唄市医師会・竹田 剛 |
冬になって手足が冷えやすい季節になりました。冷えるだけなら"冷え性"となりますが、最初指先が"白く"なり、やがて"紫"になり次第に"赤く"なる現象を
レイノー現象といいます。冬場の寒い時期、冷蔵庫に手を入れたとき、冷たいものに触れたとき、精神的に緊張したときなどに出やすいのが特徴です。 レイノー現象は、手足の末梢の小さな動脈が寒さなどの刺激で発作的に血管が縮むことで生じます。血液の流れが悪くなると白から紫になり、血液の流れが回復すると充血して赤くなるのです。 色が変わるだけでなく、冷感・しびれ・痛みなどを伴ったり、指先に潰瘍(かいよう)ができたりすることもあります。 レイノー現象を引き起こす病気には、原因がはっきりしないレイノー病と、他の疾患に伴って起こるレイノー症候群があります。レイノー症候群の原因として多いのは、膠原(こうげん)病といわれる免疫の異常によって起こる病気です。 中でも強皮症や混合性結合組織病という膠原病に多いと言われています。膠原病以外の原因では振動工具(チェンソー)を使用する職業に従事している方、 血液の病気のために血液が粘稠(ねんちゅう)になって生じる方もいます。一般にレイノー現象の予防には冷たい水を使わない、外出には手袋を使う、極端なストレスは避けるなどが言われていますが、 たばこはレイノー現象を悪化させますのでたばこを吸っている方は禁煙が大切です。 症状が重い場合は血管を広げるお薬を飲むと楽になる場合もあります。レイノー現象を自覚している方は、一度病院で原因となる病気が無いかどうか調べてみるとよいでしょう。 (執筆者紹介/北海道せき損センター内科部長) ![]() |